結末間近に、挨拶アルバムを捲る為に

December 19, 2010

Rebirth [詩]

世界のはじまりの色を、僕は知らない。


燃えるような赤だったのか、凄寥たる青だったのか。

あの太陽のように黄金に輝いていたかもしれないし、

あの月陰のように真白く儚かったかもしれない。

全てを生み出す黒か、全てを眩ます虹色か。


見守っていたはずの何億年前の自分に問いかけながら、

現代の僕は、この空の色で精一杯だと首をふる。

どこからか繋がった糸電話。

風砂と共に断ち切られた回線は、ただの飾りだったことを今知る。

何年生きていても、僕が理解することなどこのノートで足りてしまう。


そして、最後まで埋まらない解答欄に溜息を。

朝焼けの赤だろうと、帳の青だろうと、

いいかげんな自己回答を入れてしまうくらいなら、

僕はまた何億年と待って、

世界の終わりの瞬間のその色こそを書き込んで。


ただ、君が微笑んでいられる結末を求めるのだ。

その有限な永遠の先へと導きながら。



asa10_s at 23:07│Comments(0)詩。心のすさび 

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